
レ ン 〜母の数え方〜
映画『レ ン』が描くもの
人は皆、自分で生まれる環境を選んでくることはできません。
どんな家庭に生まれ、どんな親のもとで育ち、
どんな価値観を「当たり前」として植え付けられるのか。
私たちは、与えられた狭い世界の中で生き方を学びます。
しかし、もしその世界が苦しみに満ちていたとしたら──。
人が抱える苦しみの多くは、この「自分で選べなかったもの」から
生まれているのではないかと感じています。
本作の主人公・恋(れん)は、
売春を生業とする母のもとに生まれました。
愛情とお金の境界が曖昧な環境で育ち、
母の死後もその価値観や記憶に支配されながら生きています。
しかし、本作で描きたいのは、
トラウマや不幸な過去そのものではありません。
その先へ進もうとする「人間の意志」です。
主人公は演劇と出会い、表現の世界の中で、
初めて「自分自身」を探し始めます。
家庭環境、貧困、社会の理不尽。
そうしたものに縛られながらも、
人は本当に自分の人生を取り戻すことができるのか。
どれだけ重いものを背負っていても、
人は最後に「自分は何者なのか」を選び直せる。
その可能性を、私は信じたいのです。
この映画は、誰かを断罪するための物語ではありません。
過去に縛られながらも、
それでも自分自身の足で立とうとする一人の人間の物語です。
この作品は、
「環境に人生を決められた人のための映画」
ではありません。
「環境に人生を決められたくない人のための映画」
です。
現代社会では、時に人は「自己責任」という言葉で、
簡単に片付けられてしまいます。
しかし、その裏にある背景を、
私たちはどれだけ知っているでしょうか。
過去を消すことはできなくても、支配され続ける必要はない。
その希望を、この映画を通して届けます。

作品制作の想い
人は、選択の自由のない状況でこの世に現れます。 幼い頃に見た景色、誰かから受け取った言葉、無意識に染みついた感覚や習慣。そうしたものは、成長したあとも、自分の意思とは関係なく、身体や感情の奥に残り続けます。そして時に人は、「こんなふうにはなりたくなかった」と思いながら、気づけば同じものを繰り返してしまう。本作では、そうした“逃れられなさ”を出発点に、それでもなお、人が疑問を感じ、「自分自身」になろうともがく姿を描きたいと考えました。この作品に登場する人物たちは皆、他者から与えられた役割や価値観の中で生きています。おそらく現代社会では皆そう言った部分があるのではないでしょうか。誰かに求められる自分。期待される自分。消費される自分。しかし、その中でふと、「本当の自分とは何か」という問いに直面していきます。それは簡単に答えの出るものではありません。過去を完全に消すことも、傷をなかったことにすることもできない。それでも人は、矛盾や痛みを抱えたまま、“誰かの代わり”ではなく、自分自身として生きよう思う。この作品は、そんな不完全な人間の姿を、できるだけ生々しく、身体感覚を伴って描きたいと思い制作した作品です。

Stuff
脚本・監督:井坂 秋
助監督:芥生 浩隆
撮影:芥生 浩隆
撮影補助 : Katsuo
照明:Katsuo
録音・他 :前野 雄介、所 和義、、滝 繁信、Katsuo
静音・MA:岡本 崇(コココロ制作)
音楽:岡本 崇(コココロ制作)
ヘアメイク : 伊藤 佳南子
グラフィック:坂井 公秋
メイキング:前野 雄介、滝 繁信、他
Cast
河本 唯、河本 恋、二役 愛田 天麻 様
河本 恋(幼少期) 春野 さつき 様
山田 愛美 役 雨木 美紗都 様
穂積 一彦 役 滝 繁信 様
虎洸 誠司 役 ナオッチコルレオーネ 様
麦田 豪 役 磯部 典孝 様
刺原 紫炎 役 石村 二郎 様
麻野 裕子 役 藤原 絵里 様
森本 凛子 役 森 りさ 様
添田 瑞稀 役 MIOKO 様
岡山 侑也 役 奥川 陽 様
高橋 断 役 高橋 裕太 様
東出 美波 役 東出 南 様
協賛
特別協力
劇団かに座
クラウドファンディング協力
監督挨拶
自らの生まれや環境を選べない理不尽に直面し、運命を諦めながら生きている人は、決して少なくないのではないかと思います。
私は、その理不尽に負けず、考え、行動し、自らの未来を掴み取っていく人間の姿を描きたい。
その姿を通して、一歩を踏み出せずにいる人々の背中を押し、未来への光になるような映画を届けたい!そう強く願い、このプロジェクトを立ち上げました。
なぜ、写真家の私が映画を撮るのか
私の生業は写真家です。2019、コロナ禍で、多くの方も同じようなことに直面したのではと思います。
それまでの日常や仕事が失われたとき、私は自らの存在価値を見失いそうになりました。
私に直接依頼があったクライアントからの連絡が途絶え、仕事はゼロになり、時間だけが過ぎていくようになりました。
金銭的不安も重なり、自分はなぜここにいるのか?私がここにいる価値、いや、意味ははあるのか?私という存在は不要ではないのか?
そんな良くない思いが頭と心を支配するようになってきました。
「何かクリエイティブな表現をし続けなければ、心が死んでしまう」
そう突き動かされるようにして、私はYouTubeで短編映画の制作を始めました。
しかし、映画制作の道は甘くありません。
数年前、制作した作品の公開を巡って大きな壁にぶつかり、身動きが取れず深く悩んでいた時期がありました。
そんな時に出逢ったのが、岡本崇監督の映画『ボールドアズ・君』でした。
その作品と監督の情熱は、暗闇にいた私の背中を強く押し、再び動き出す力をくれました。
映画や音楽には、人の心を動かし、人生を変える力がある。それを自ら体感した私は、
映画館での上映という一歩を踏み出し、小さな映画館でしたが9日間の一般上映という形で再び前を向くことができたのです。
そして、今、日々思っている事の一つをテーマに今作「レン」〜母の数え方〜の制作に入ったのです。
そして私に勇気を思い起こさせてくれた、岡本崇監督が作品の音楽全般をご担当いただけることになりました。
音楽、MAが素晴らしくなることは間違いなく、それに負けない映像を作っていこうと思っています。
大変生意気な想いですが、私の作品で、誰が一歩を踏み出す勇気を持ってくれたら。
その想いが、今回の初長編作品への挑戦へと繋がっています。
今後のスケジュール(予定)
2026年 7月中:クラウドファンディング開始
2026年 11月下旬:クランクイン
2027年 1月クランクアップ
2027年 5月作品完成
2027年 6月関係者、支援者向け特別完成試写会
2027年 随時映画祭応募
2027年〜2028年 一般向け劇場公開

